【先のブログ補遺】公認会計士としての意見ー会計基準の弾力的・柔軟な対応について
【ブログ補遺】 先のブログでは会計基準の弾力的・柔軟な対応と過度な悲観を避けた見積もりを、という点に関する私の考えを書いた。 現在、少なくない有識者から今回の新型コロナ禍は、私もさすがに経験していない教科書でしか知らない「世界大恐慌」以来の100年に一度の経済危機になりうるという問題提起と、そこに世界中の英知を向けようという強い思いとが示されている。 その認識に私も立つからこそ、冷静になって目先のことだけでなく、真に未来のことも考えた逃げない企業会計処理を期待する。 過度に悲観になるな、という意見の背後には、不安を煽るなという意味もあるが、理性的な判断を国民から奪いとることにもなる。今回の危機は国民の目を不安から逸らすことからでなく、正確な情報の公開と具体的な政策の実行からでしか解消できないと思う。 時代は大きくかわる。将来の見通しは大きくかわる。そのことをふまえて企業は最善を尽くして見積もり、行動してほしい。 減損すべきもの、引き当てるべきものはシビアに会計的な手当てをした上で、新しい投資やビジネスを価値観の大きく変わるだろう環境の下で積極的に始めてほしい。正しいディスクロージャーを守るのが私たち公認会計士の使命である。 なまじっか不要なものを会計上も実体上も残しておくと、将来の足枷手枷になるのだから。 今回の危機を真っ直ぐに受け止めることからしか将来はない。会計、監査、財務報告はそのための物差しとしての役割を果たすことが本分である。 私は、人間の底力を信じている。 Always One Step Ahead CPATOYOSHIOFFICE network 公認会計士東葭新事務所 代表 東葭 新 arata@cpatoyoshioffice.com